無添加パン工房・デッセムがあるのは、

無添加パン工房・デッセムがあるのは、
このご夫妻のお陰。:

開店して丸二年がたった。二年前の7月の終わりか8月の最初が、そのご夫妻との出会いであった。井上葡萄園の店主である。朝の散歩の際その販売所に入っていき、私はいきなりこう切り出した。「この先でパン屋をやるんですが、自然酵母の元種に葡萄を売ってくれませんか?」。店主が当惑したような顔をしていた。爾来丸々二年間、冬には枯露柿を、春終盤には桃を、などなど果物には本当に苦労しないくらい恵まれた状況である。しかも、しかも、しかも、代金を受け取ろうとしない。

いつか思い余って「お金を払わせてください。」とお願いしたところ、「払いたければ払っていきな。でももう二度と来るんじゃないよ」とのセリフ。商品になら無いものをあげているのに、それでお金は取れないという理屈だ。私が住んでいる富士川町(増穂)は山梨県南西部に位置する。私の父の郷里、塩山は北東部で同じ山梨県でもかなり遠い。従って私の親類、縁者はいない。

ことほど左様に井上の叔父さん伯母さんには良くして頂いている。周りは知らない方々ばかり。でもこの叔父さん、伯母さんの存在は”巡り合うべくして逢った”という不思議な御縁を感じている。本当にこの紙面では語りつくせないくらい、この叔父さん伯母さんにはお世話になっている。

その叔父さんの方が癌だ。でもタバコを吸っている。伯母さんはもう先が無いんだから(笑)、好きにさせているという。叔父さんがタバコを吸っているのを見るのはつらい。御本人の勝手かもしれない。でも辛い。ある時叔父さんに思い余ってこう言った。「父親が死んだ時も、母親が死んだ時も、一滴の涙を見せなかったオレが、叔父さん死んだら思いっきり泣いちゃうよ。だからタバコやめて、と言わないからせめて3本に一本、5本に一本、このタバコにしてよ。」って充電式の、煙だけでて先端が赤いライトがともる、ニコチン他0%という品物を渡した。

叔父さん、お願いだからタバコを止めて。オレも吸っていたから解るけど、止めて。喫煙者は亡くなる時、塗炭の苦しみを味合うそうです。

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