朋友、高取氏からの「激」です。

朋友、高取氏からの「激」です。
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立ち上げから色々とお手伝いさせて頂いた無添加パン屋さん『ベーカリーデッセム』の廣瀬さんから待望のパンが届いた。梱包からしてとても深いパンへの愛情と想いを感じている。

廣瀬さんは、かつて自身の経営するパン屋をたたまれた経験がある。僕も過去、経緯は違えど自分の店をたくさん潰したので、自分の店を失うことがどういう事かはよく分かっているつもりだ。

今度の無添加ロウベクレルのパンプロジェクトは何があっても上手くいって欲しい。その想いで微力ながら応援させて頂いたが、さすがご本人の力量と弛まぬ努力でまたたく間に大繁盛されているようでひとまず安心している。

僕の勝手な印象だが、廣瀬さんの性分は完全に職人であるが、その特殊な生き方からその領域だけにとどまっていない。そもそもの気性は不器用だけどとても優しく、繊細で真面目な方だと思う。

本来ならもう少し収益を上げる体質にしなければ事業の長期継続は難しいのに、その信念から、自分ではなかなか儲かろうとしない。僕の立場は彼に忠告し続けるたかがオブザーバーようなものだが、どんなに言っても頑なに生産性を上げようとしないのだ。

生産性に走ることは彼にとって死を意味すること。この問題は彼の生き方や信念の問題でもあるのだろう。本当に悩ましいほど不器用で厄介な男である。

会員制のパン屋としては、一般の方は少し手が出にくい価格ではあるかも知れないと思ったが、今年は申し込みが殺到して想定を大きく超えたものになった。

だが実はデッセムの正念場は来年から。本当は店頭売りをどんどん増やし、会員の相手どころの話じゃない状態にまで持っていきたいのだが、おそらく廣瀬さんはその全てを背負うのだろう。

彼の身体の心配をしつつも、皆さんには、ぜひ末長い応援をして頂きたいと願うばかり。彼のパンの在り方や考え方は、この国にはとても必要だと思う。大げさではなく日本に残された最後のパン職人の良心だと僕は思っている。

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