移住8か月目に突入:

移住8か月目に突入:

早いもので山梨県富士川町に引っ越して、早8か月目になります。夏にかなりの蒸し暑さを経験し、そして極寒の冬、ここのところ毎日氷点下3~5℃を味わっております。これで春は経験しておりませんが、四季のうち三つを経験したことになります。この三月で腹部大動脈瘤の手術一周年を迎えそして67歳になる私としては、健康的な要素が一番心配であったのですが非常に体も快調です。

1)新しい地にて:
引っ越した当時は右も左もわからない場所ということで少しの不安がありました。ネットで検索し今の厨房を探して下さった野中林業さんの会長さんが、私が三年間コンサルティングをさせて頂いた群馬県地球屋さんの鈴村社長さんの後輩であるという縁から、この野中会長さんには大変お世話になりました。この夏には盛大な花火大会にもご招待いただきました。そのほか地域の集まりにはお声掛け頂いております。

2)パン作りに何が一番必要か:
富士川町という町はフクイチから約340キロ離れていて、この場所で安心安全なパン作りができますことを、本当に嬉しく思っております。パンに必要なものは粉、水ですが、何と言いましても空気「大気」が肝心です。空気はパンの発酵の過程において、大事な要素の一つです。いくら良い材料を揃えたとしても、大気が汚染されていたのでは、また製パン器具類、パンを包む紙類に汚染された空気に触れるようではかなりマズイ状態です。でもこの富士川町では空気も水もノン・ベクレルです。ある時FBを見ておりましたら「もしも放射能に色がついていたなら、、、」という投稿を拝見しました。今から20~30年前、黒沢監督の映画作品では「放射能に色がついている」という設定でした。

3)私が反原発、そして反放射能を掲げるわけ:
私自身はもう歳が歳ですからどうなっても構いません。でも私の、また人様の子や孫に放射能に塗れた食べ物を食させるわけには行かないのです。放射能の影響はこれから先何年続くか、何十年続くか解りません。3・11直後は盗電の、そして政府の無策の犠牲者、被害者を名乗っていれば良かったかもしれません。でもあれから何年か経過し、人々が「忘却は美徳」とばかりに忘れ去っていく放射能被害に対し、キザな言い方ですが、敢然と立ち向かっていく愚かしいパン屋が一軒くらいあっても良いのではないでしょうか。放射能の身体的被害は何十年先にも表れるのです。もう既に一部の地域で表れているでしょう。

4)「悪魔」の存在:
私のように放射能のことばかり書くと、御用学者、御用ライター、御用医者から攻撃を受けます。いつだったか私が反ヤ○ザキを掲げておりますので、御用ライターから中傷記事を投稿されました。また宮城県の心臓外科医から「変態」と罵られました。でもこれらは実に“かわいい”ものです。その辺のときたま恫喝をしてくる、893のチンピラと変わりありません。最近本当の「悪魔」を発見しました。それは自分の中にいたのです。「もうこの辺にしておこう」とか「食品添加物の事は、これくらいは仕方ない」という自分自身の中にいる「悪魔」の存在です。無添加パンで一番大事なことは、「添加物はこれくらいは良いだろう」という“誘惑”に負けないことです。同様に放射能に関しても「これくらいは」という感覚に陥っている自分がおります。

5)厚い情に感謝:
富士川町にあと10年、いやあと6年早く越してきたなら私の人生は180度違ったかもしれません。それ思わせるくらいこの富士川町にお住いの方々の人情の熱さには、感激、感謝の連続です。ひとつ例を挙げるのなら、ある日家に帰ると玄関の先にビニール袋がつるしてあります。その中には野菜とか果物がたくさん入っていました。デッセムで使用する材料の中で一番肝心なのは、「発酵種」です。葡萄で発酵液を作り、その発酵液に中に粉を入れ数日すると「発酵種」が出来上がります。その葡萄をお作り頂いているのはターちゃん、スーちゃんご夫妻です。丁寧に真心込めた葡萄を使わせて頂いている私は、世界で一番幸せなパン職人かもしれません。

6)皆様のご厚情に支えられているパン屋:
皆様もご存知のようにデッセムは会員制です。皆様によってこの“老パン職人”に「もう一度、パンを作らせてやろう」という御意志が結実したものと考えております。創業―運営―継続―継承と四つの段階を考えておりますが、現在は「継続」を如何にして行くか、という段階です。「継承」はAさんという力強い若者がメンバーに入ってくれました。三年後(正確には2年半後)にはこのAさんと私の妻に完全にバトンタッチし、その数年後にはAさんに運営していただく所存です。会員様には必ずしもお安くない会費をお支払いいただいています。そのご厚情にお応えすべく、私は無給で働かせて頂いておりますが、毎日が充実し楽しくて仕方ありません。パンの香りに包まれていることは幸せなことです。

7)デッセムのパン:
デッセムのパンは“無添加にしてロウ・ベクレル”を謳っています。ご承知のように、ありとあらゆる食品添加物を使用しておりません。そしてロウ・ベクレルです。ある統計によりますと食品添加物は国民一人当たり年間約4,5~10キロ以上の添加物を摂取しています。最近は上記の「量」だけで推察が出来なくなっています。なぜなら「力価」が数十倍というものも出来てきました。ベクレル検査は秋田の“べくれでねが”さんにお願いし、粉、牛乳、バター、水、卵の五大原材料の検査をお願いしております。

8)私のホコリ:
私が誇れるところは何もありません。よくよく考えても誇れるところは一つもないのです。地に舞い立つホコリばかりの生き方でした。67歳の誕生日を前にし、本当に恥ずかしい限りです。今の妻と結婚して26年以上たちますが離婚も経験しました。その他、言うなれば人として恥ずかしいことの連続でした。こんな私でも誇れることが一つだけあります。

それは無添加パンを作り続けたことです。
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3)愛しいあの方へ。
ガトー・ショコラもよろしくお願いします。
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