会員制・無添加ベーカリー・デッセムより、ご報告:

会員制・無添加ベーカリー・デッセムより、ご報告:
                   2018年4月29日

目次
1.序文
2.近況
3.マーケッティング
4.営業報告
5.展望
6.ご報告の最後に

1.序文
老いた“一介のパン職人”に、今一度無添加パンを焼く機会を与えて下さった会員総数450名様に先ずは御礼を申し上げなくてはなりません。多くの方々が、どこの馬の骨ともわかない人間に対して寄せられた、深いご理解、ご協力、期待、そしてご厚志には本当に感謝しております。

会員制という名の基にベーカリーを運営していく事自体、日本で初の試みであっただけに私も決断を必要としました。ただそれ以上に、特に第一期の会員となられた方々は私以上の勇気と決断に迫られたのでは、と推察いたします。このご報告は会員様に対する私からの責務と考え認めさせていただきました。またこの「ご報告」は多くに方々に会員制ベーカリーの“ありのまま”を知って頂くために、フェイスブック上での公開という形をとらせて頂きました。

2.近況
昨年8月28日に仮オープンをした「デッセム」は、あくまで廣瀬個人のものではなく“会員様からお預かりしたもの”という認識のもとに今も運営されております。厨房の中の紙一枚、パンの一欠けも廣瀬個人の所有物ではありません。会員様のものです。

しかしながら当初お約束した「過疎の地での開店」は会員様へお約束していたリターンを実行するには「過疎の地」というのは無理がありました。また身障者の雇用につきましては、設備の関係からいましばらくのご猶予を賜りたいと存じます。そしてシングルマザーの方への応援というのは、現在も募集を行っておりますが正直なところ未だに応募はございません。“その代り”といってはなんですが、全国三か所のこども食堂さんを「パン提供」という形で応援させて頂いております。

最初に掲げた「創業―維持―運営―存続―継承」という点ですが、第三段階の「運営」というところまでは何とかやった、と自己評価をしております。残りの「存続」というところですが、ここは是非とも、特に第一期の会員様の契約更新をお願いします。

今、店舗販売、「道の駅」での販売をしておりますが、「会員制」である以上会員様の「契約更新」が大きな糧となり、また私の励みともなります。この7月中にはご案内をお出しし、8月中には契約更新のご用意を平にお願いする次第です。

3.マーケッティング
スタートの段階では「無添加パン?」という県民の方々の認識の中、テレビ山梨さん、そして山梨放送さんの放映があり店舗での販売は順調に推移しておりました。初期においてはスタッフも見つからず、東京に事務局スタッフはいたものの妻と二人で苦労しました。この状態は昨年12月半ばまで続きました。そしてやっと9月の中旬より会員様へのパンセットの宅送ができるようになりました。

ロウ・ベクレルの素材を探すのにも苦労をしましたが、秋田の「べくれでねが」さんのご協力により何とか探し出すことも出来ました。パン製造における五大原材料は粉、水、油脂、牛乳、卵です。このうち牛乳を除きまして0、00の単位までノンベクレルが証明できましたが、牛乳だけはどの製品を検査しましてもほんの少しだけ「検出」されてしまいます。今、暫くお待ちください。

またパンのお値段の点ですが、以前経営していた西荻窪のリスドォル・ミツと同じ値段で設定しております。リスドォル・ミツでは銀座や新宿の有名デパートさんで販売しておりましたが、そのお値段と同じです。山梨に移住してきたので厨房経費等の不動産は比較的お安いのですが、ノンベクレルの素材を求めるとなると宅送料などが半端ではありません。

この姿勢は店舗にご来店頂くお客様にも評価していただき、放射能に対する関心も徐々にではありますが認知していただいております。また最近では店舗から車で5分のところにある「道の駅」でも、ご来店頂いているお客様のご推挙により販売が始まりました。「道の駅」での販売は大変好調であり、今は少し収まりましたが連日“売り切れ”の状態でした。今週は特にゴールデンウイークですので、定休日である日、木曜日にも納品にお伺いしております。

正直なところ「道の駅」での好調な販売は“痛し痒し”です。このままでは夏休みを一か月とる、と申し上げていたお約束も守れそうにもありません。ですがスタッフには1カ月のお休みを取って頂き、私たち夫婦は納品を一日おきにお願いし、「道の駅」のお客様にご迷惑をおかけしないよう頑張りたいと思います。それが「道の駅」のお仕事を頂いた責任でもあります。また一日でも早く“安定経営”にもっていきたいと思っております。

お客様に優劣をつけるつもりは毛頭ございませんが、私たちが常日頃心しておりますことは「第一に会員様」ということです。会員様宅送に支障が無いよう継続してく所存です。

4.営業の報告
このご報告は3項でだいぶ詳しく書きましたので簡潔にいたします。
製造ベースで見ますと現在のところ、
会員様への宅送――――4割
会員様以外への宅送――1割
店舗売上―――――――2割
道の駅売上――――――3割
(今年中に法人化する予定ですが、それまではあまり詳しく数字を出せません。ご容赦ください。)

5.展望
短期研修につきまして:
  会員様への種別によりまして、研修とか講習に無料ご招待という項目があったと思います。しかしながら私は平日朝4時に起床、4時半に出勤、午後4時まで勤務という日が続いております。この日々の中で東京で研修会、講習会を実行するとなると無理がございます。ですので「山梨におこしいただく」という前提のもとに研修会を随時行っていく予定です。

  また合宿所というてんですが、現在私の住居は5LDKで夫婦二人で住むには些か広すぎますので二階部分、二部屋を合宿所として空けてあります。ですが、合宿していただくためには食事その他の用意もしなければなりません。現在店舗運営に苦労を掛けている妻にはこれ以上の苦労は掛けられない状況です。勝手ながら、これもしばらくご猶予を賜りたく思います。

ご報告の最後に。
  昨年12月よりAさんという30歳の青年が、私のサポートとして新しくスタッフに入ってくれました。目先が立つというか、非常に気の付く青年でパン職人未経験であるのも関わらずもうすっかりデッセムの戦力です。このままあと二年半、辛抱してもらえれば「継承」もスムーズに行くでしょう。無論、私は二年半たてば70歳で引退しますが、Aさんと妻との共同経営という形を数年維持していきますので、会員様にはご迷惑をおかけしません。

Aさんのご両親様へ。
  大変優秀な、そして機転がきくお子様をお預かりし、私も責任重大と心得ております。特に天国にいらっしゃるお父様、貴方の息子さんは大変優秀です。素晴らしいです。見事です。どうか安らかに。息子さんの事は、不肖廣瀬が微力ながらお守りいたします。

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